日本食が大好きな夫、新しい味にチャレンジするのも大好きだ。
カリフォルニア出身なので日本食も結構食べ慣れている。
はじめて日本に来た時に1人で街を探検し、見るもの全て珍しく、写真を撮りながら街を練り歩いたそうだ。
スーパーに入った夫はタクワンを見て大興奮したそう。
「あれだ!カリフォルニアの日本食レストランの定食とかについている黄色い美味しいやつだ!!」大好きなアレ。
「これ、く~ださい」
大喜びで長いタクワンを丸ごと買って、その場でビニールを剥きながらボリボリと歩き食いをしたそうだ。
「そうしたらね!半分も食べてないのに気持ち悪くなったんだよ!!」
当たり前だ。
というか半分近く食べたんだ?
それに外国人だからすごく見られたと言ってたけど、それが理由じゃないと思う。
ぐにゃった長い(たくわん)を丸ごとかじりながら歩いてる人。
怪しすぎます。
確かに外国の食べ物は食べ方がわからない場合が多い。
夫の母が日本に来た時に初デートに行ったしゃぶしゃぶ店に連れて行った。夫のママのことはマムと呼んでいた。
真ん中の鍋を見て
「お湯だけ!?」
「マム、ここにね、薄いお肉をスイースイーって洗うように入れるの」
「そうなの? びっくりした」
またしゃぶしゃぶの食べ方を身振りで説明しているところに煮込む野菜がやってきた。
白菜、もやし、ネギが乗っている大きな皿を受け取ったマムはなんと
もっしゃ、もっしゃと食べ始めた。
「うわ~~~~~ストップ!それ鍋に入れるの~~ボイルボイル!!」
サラダだと思ったそうだ。
「味がないなと思った」と言いながら、もやしを食べていたのを今でも思い出す。
それから、夫は寿司と刺身も大好きだ。
つきあっていた頃
「お寿司大好き!!カリフォルニアでも、よく食べていたんだよ~!」
着ているのは桜の模様と寿司と大きく漢字で書かれたTシャツ。
うん、お寿司好きなのは見たらわかる。
日本の新鮮なお刺身を食べさせたくて、結婚する前に和食のお店に行って刺身定食を頼んだ。
当時流行っていた和食ファミレスのようなところで、和テイストのお店に大興奮な夫。入り口で靴をぬぐのも大喜び。
刺し身定食は、確かアジのような丸ごとの小ぶりのお魚がそのまま真ん中に乗っていて、周りにまぐろやイカのお刺身が並べてあったと思う。
「いただきまーす」と食べようとした瞬間、真ん中の魚の口が急にパクパクした。
「ぎゃ~~~」お店にとどろく野太い悲鳴。
「生きてる!これ生きてます!!!」
「日本の活造りっていうの新鮮な証拠なんだよ」
「だめ~かわいそう」
そしてなんと
「死んでください!死んでください~!」
思わず笑ったら
「ひどい」と涙目。
夫にはものすごくカルチャーショックだったようだ。
「あれは、本当にびっくりした。ショックだった」と今でも言っている。
あれ以来用心している夫は、刺身を注文するときは写真をじっと見て(顔がついているか)を確認している。
それほど用心していたのだが、九州に行った時に、また遭遇してしまった。
顔のついた刺し身がパク~!!
「やめて~、また生きてる!」
「お刺身はまだいいかも、白魚の踊り食いっていうのもあってね…」
「やめて~」
どSな嫁大喜び。
それでも大好きなお刺身。
初対面の人に
「日本の好きな食べ物はお寿司とお刺身です。でも死んでいるのだけです」と言っている。
おかしいから、それ。
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