2017年10月2日月曜日

残念な夫の日本語 


 
 夫は日本に来る前に「はじめまして」を覚えたのだが、日本とアメリカは使い方が少々違う。

 アメリカの(はじめまして)にあたる「ナイストゥーミーチュー」は別れるときにも言うのだ。
 
 最後にもう一回握手して”Nice to meet you”と別れる。

なので日本語でも、「それではまた」と頭を下げる人に

 「はじめまして!!」と元気よく挨拶していた。


 言われた人は必ずぎょっとする。

 「間違ってるよ」

 「じゃあなんて言う?」

 「う~ん…お目にかかれて嬉しかったです。とかかな?

 「おメメにかかかれ…難しいよ!」

 「うーん、じゃあ、『じゃあね~』で良いんじゃない」

 それ以来、別れるときには誰にでも、そう目上の人にも

 「じゃあね~!!」

 違う。あっているけど、違う。

「ご家族の皆さんによろしくお伝え下さい」を
「かぞく、皆、よろしくです」

 近いけど、これも違う。

 夫の日本語、話す方は「あああ、惜しい」というのが多くて、通じるけど何か変だよ。というのが多い。何かが足りない、とか。

 これは私の英語も同じだけど、なんか多すぎ、なんか足りない。

 リスニングの方だけど、時々とんでもない勘違いもある。

 和食も大好きな夫はお正月はかかさずお節料理を食べる。 大好きな、黒豆、伊達巻、栗きんとん。
日本食材店で買ってきたお正月用品を冷蔵庫に片付けている時、夫に

 「栗きんとん多めに買ったよ」と声をかけた。

 「え?クリントン ?」

 「ち、違うよ!栗きんとん!台所!」

 「クリントン大統領?」

 なんでよ。





 話す方も、英語の文法そのまま日本語を入れて失敗というのが良くある。

英語は言葉の後にプリーズをつける。そうすると動詞で始まると命令形になる言葉でも柔らかくなるのだ。

例えば Sitシット(座れ)をプリーズをつけると(座ってください)に。

ちなみにSitは限りなくセットに近い発音です。
シットと発音すると(くそ)になるので気をつけて。

夫はプリーズとは丁寧な言葉、日本語で言うと(ください)と覚えている。

Eat please は食べてください。 
Drink please は飲んでください。

家族にも少しでも丁寧に話そうとする夫は、

「ご飯、ください」という使い方をする。
だが、息子になにか頼むとき大抵失敗している。

 電気消して、と言おうとして
「電気、ください!」

 宿題、しなさいは
「宿題、ください!」

 ゴミ捨てて、は
「ゴミ、ください!」

 極めつけは猫のトイレ綺麗にして、と言おうとして

 「猫のうん◯ください!」

 くださいって。ねこのって

 これが本当のシットプリーズ。

 お腹が痛くなるまで笑った。

「忘れないようにメモしておこう」と手帳に書いているとすごく悔しそうな夫。

「やめて!」

そこに(ください)つけたら完璧なのに。

0 件のコメント:

コメントを投稿