2017年10月2日月曜日

住んでみてわかったハワイ

ハワイ国は2つの地区に分かれていた。

 観光客が来る綺麗なエリアとロコの貧しいエリア。田舎の方に行くと日系の人がたくさんいるのだが、もう日本語は話せない。私達が住んでいたところも名前はSuzukiやYamadaで、顔も日本人風なのに日本語は読めないし書けない。なんだか不思議な気がする。
それからハワイアンの人たちは結束が固く、日本人もアメリカ人も嫌いと言う人も多かった。

 特に子どもたちは頑なで、いじめの対象になるのが(肌が白い)(勉強ができる)
特に白人はハオレと呼ばれて嫌う人も多かった。これは本土とは反対の差別だ。
肌の色が白いアメリカ人そして日本の血を引く息子はつらい思いをしたと思う。
こういうのも住んでみないとわからないことだ。

 家と夫の職場の間に湾があった。遠くに見えるのに道路をぐるっと回らなければならず、通勤に一時間以上かかっていた。ハワイの道路は日本よりも渋滞する。
ある日閃いたおとうたん。

「カヤック買って、海を渡る」
「ええええ~~??仕事に行くのに?」
「海を超えたら10分でつく」
「確かにそうだけど、大丈夫なの?」
「許可書を取ればいいんだ」
そういう問題じゃなくて~。

「だって、泳ぐのは禁止なんだ」
禁止でよかった~泳ぐ気だったんだ~。

やる気出したおとうたん。
すぐにカヤックを買い、海を渡り、仕事に行って、何日かは大喜びだった。

「すっごく早いよ、10分だよ。ああ~なんで最初から思いつかなかったのかな~!」
ですがある日青い顔して帰ってきました。

「サメがいっぱいいた!」

その日以来カヤックはガレージに眠っている。

ハワイ島でも、ウミガメが目の前にあらわれて、びっくりして押してしまった夫。

「押したの?」「だって、びっくりしたんだよ~」
ウミガメは怒っていたと思う。

 アイダホは地平線な荒野、ハワイは海に囲まれた島。 文化も全く違う。言葉は英語だけど、アクセントもかなり違う。ちょっと日本語と似てるようなところもあった。(だよね?)みたいなときに、語尾に(ヤー)とつけるんですが、日本人としてわかりやすい。

 どちらも同じアメリカなんだと思うとおもしろい。現地の人は(アメリカ)だとは思っていなくて、あくまでも(ハワイ)だと言っていた。ハワイでの生活は闘病期間も長かったけれど、日本食材も手に入るし、私にはとても住みやすいところだった。

 ハワイの日系三世と日本からの旅行者は同じ日本の血なのに全く違う風貌だ。
ハワイの紫外線にいつも晒されている肌、食事の違い。それから英語の発音のせいか、口元や顎のあたりがかなり違うような気がする。

 徹底的に違うのは体格だ。日本からの旅行者は華奢で色白なのですぐわかった。綺麗できちんとした洋服、細い腰まわり、ビーサンではない、ちゃんとした靴。そして猛烈に白い。
ハワイの地元の人は絶対にビーサンだ。バッグはシャネルやルイヴィトンでも足元はビーサンだ。不思議だ。決まりがあるのか?

 私はハワイで太り、肌も日焼けして、あっという間に現地に馴染んでしまった。服も楽なのでほとんど袖なしのハワイアンドレスを着ていた。
ワイキキで買い物をしていたら、日本の女の子たちが話をしている声が聞こえた。

「ねえ、あのおばちゃんが今手に持ってる服、良いよね」ふーん、どこのおばちゃん?と顔をあげたら、ばっちりと目が合った
私だったよ。
絶対に現地に昔から住んでいる日系人と思っていたに違いない。しかも日本語わからないと思ってる~。

(顔をあげたけど、何言ってるのかしら~?)な小演技をしてレジでもかたくなに英語を通して、ソーっと帰ってきた。
というか、なんで?私何も悪くないよね?ちょっとむくれたハワイのおばちゃん。

 ハワイアンの友人も少しづつ増えてきて、ある日結婚式に招待されたこともあった。
「ハワイ式の結婚式なんてどうしたらいいの~?」と夫に聞くと「じゃあ、出席者に聞いちゃおう」と電話をかけて

「着ていくものはやっぱりハワイアンドレスとアロハシャツが良いの?それから髪につける花は……」といろいろ聞いた。すると、なんとその人すごく驚いて

「え!! ハワイアンだと思ってた!!」
とハワイアンに言われてしまった。
やっぱりね、だよね、腰回りだよね。

 どこに住んでも、なんだか地元に溶け込んでしまう。
「この街出身です」みたいな顔になっていく。もともと国際結婚と海外暮らしがあっているのかもしれない。

 どうしても溶け込めない日本人妻達もいた。日本人としか付き合わないで、日本語ばかり話す人。そして、夫の国なのにアメリカの悪口を言う人。そういう人同士はグループを作っていた。
そしてハワイでは日本人妻同士の喧嘩もよくあった。私も苦手な人が何人か居た。
アメリカ人やハワイアンの友だちを作って遊びに行けばいいのに、もったいない。

 私は自分が知らない世界を知ることがとても楽しい。

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