2017年9月30日土曜日

1 初めての出会い


1,出会い



夫との出会いは在日基地の中でした。

当時英会話教室で英語を習っていた私に、友人が基地のアメリカ人を紹介してくれました。その男性が夫になったわけではなく、初フレンドは残念ながら嫌な男だったのです。ただ本物の英会話を聞けるチャンスと考え基地に出入りするようになっていきました。

初めてのオール英語。頭がガンガンしてきます。紹介してもらった人ですが、すごく短気な人でした。時々日本語でなにか言ってくれるのですが、全くわからないのです。

ある日、

Do you know ボーノードーリーと言うので

「???ドードー鳥?」と聞き返すと

「No!! ボーノドーリ!!ボーノードーリー!」そして英語で

「日本人なら誰でも知ってる!!わからないおまえはおかしい」と切れられたこともありました。

何十回もボーノドリ!!ボーノドーリ!!と叫びながら手を振りまわしています。


どう見てもドードー鳥の物まねです。


その男性の友達がすたすたと歩いて来て

「盆踊り」と言って去っていきました。 その友達の方はスペイン系ですごく日本語の発音がうまかったのです。

手を振り回してたのは盆踊りだったようです。

ボーノドリさんはすっかり、おかんむりでした。

Bon-odoriのBonのNと次のOがくっついて(ノ)という発音になったのです。アメリカ英語では良くあるので、今ならピンとくるかもしれませんが、当時は想像もできませんでした。

踊りも全く盆踊りじゃなかったです。



そんな独身寮のコミュニティールームで少々疲れていた私に

「こんにちわあ」と日本語で話しかけ優しく笑ってくれた身体の大きい男性がいました。フレンドリーな良い人でいつもにこにこ笑っていました。その人が夫になりました。

何度か友人も一緒にグループで出かけました。そして、思いやりがあるその人にどんどん惹かれていったのです。

数人の日米グループでピクニックに行ったり、山に行ったりしてグループでは楽しかった日々。でもボーノドリさんはますます独占欲が出てきて縛り付けようとするのです。

「もう夜遅い、俺は明日早いから泊まっていってくれ」なんて言うので「絶対にダメ!何時になっても帰らないと!」と深夜の大げんか。

その時にお休みだった夫は1人でリクレーションルームでテレビを見ていました。「あ、じゃあ僕が送っていくよ」「そうしてくれ!俺は朝が早いんだ」それはもう聞いたとぷりぷりしながら車に乗り、丁寧にお礼を言って送ってもらったのでした。

家について「本当にありがとう」と玄関の前に立ちました。

車が出る時に見送るのが礼儀の日本人。家に入るのを見届けるのが礼儀なアメリカ人。

玄関前で立ち尽くす私。 車の中で微動だにしない夫。

立ってる私。待ってる夫。

いつまでもいつまでもお互い動きません。 数分たち、やっと­­­「なにか変だ」と気が付いた私たち。

車から顔を出して「かーぎ?かーぎ?」と言うので、何だろうと思っていたら自分のキーを見せて「かーぎ?」と首をかしげます。

翻訳すると「鍵を持っていなくて家に入れないの?」

それでやっと(文化の違い)に気が付いたのでした。


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